安い畳?高い畳?皆様がそろそろ畳を変えようかなぁと思う時にはよくわからない畳の値段のことで悩まれると思います。
高い畳安い畳どう違うのか?品物が違うのか?
畳屋さんの企業努力で安く提供できているのか?
わからないと思います。
私もものを買う時はネットやお店に行って値段を見て買います。もちろん同じ品物だったら安いものを買いますでもそれは工業製品みたいな家電製品とかどこで買っても同じものの場合です!
畳は全く違います農産物です!農家さんが汗水たらして1年半かかって作る純国産農産物です。
現在日本の畳に使われている80%以上は中国産です国産はわずか20%以下です
経営が厳しい[私だって同じです]全国の畳業者が経営優先で少しでも安い材料を求めて安価な中国産をメインで使うようになり、決して安くはない国産畳表が売れなくなり日本のい草農家さんはどんどん廃業していってます
昭和の全盛期4000軒あったい草農家さんが今では10分の1以下の300件ありません
これは日本の畳文化の危機だと思います!
日本のい草農家さんを絶やさないためにも皆さんにもぜひ国産畳表で畳替えをしていただきたいです。
そしてインターネットを見ればどこの畳屋さんも国産国産と書いてあってあれを見ると日本の8割以上が中国産?どこの畳屋さんも国産みたい?と感じてしまいますよね
カラクリは普通の畳屋さんは中国産をメインで使っていても単価が出たお客さん用に国産も在庫してるんです
だから宣伝には国産国産と書いていますが
中国産を使い慣れてると国産の値段をもらって
中国産をつけてしまう畳業者が多いんです。
これはほとんど詐欺に近いですが畳業界では普通に行われていることです。
倉庫にたくさんの中国産畳表があって少しの国産があって混ざっちゃって分かんなくなっちゃったなんて言い訳している畳屋さんもいますからね!
あまりにも産地偽装する畳屋さんが多すぎまして私はそういったあやふやな業者と一緒にされないために、中国産を一切扱わず
国産の畳表100%の専門店でやっております
私の調べではさいたま市で畳屋が60軒程ありますが、国産100%でやっている畳屋は私だけで埼玉県では私を合わせて4軒の畳屋さんが完全に国産100%でやっております。
国産だけでやっていますと年間を通して仕入れが高くなり経営的には厳しいですが日本の農家さんに少しでも頑張ってもらいたいので私は日本の畳表しか扱いません!
畳の値段の話に戻りますが
畳の値段は材料価格と技術料で大体決まります
良心的な畳屋さんはホームページで値段をはっきり安いものから高いものまで全て公開してます
でも畳を検索するとインターネットの上位に出てくる畳業者は2500円とか2800円とか安い値段だけが書いてあって畳の説明も畳の写真も書いてありませんよね
それは何故かといいますとその手の業者は問い合わせして見積もりをお願いして、営業専門の方が見積もりに来ますと広告に載せてある畳はお宅の畳にはつけられませんとか
今売り切れになっているとか
あとはとても頼む気になれないボロボロの見本を持ち歩いていたりします
これはもうほぼ詐欺だと思います
ひとつ前のブログの激安畳業者にもその内容を書きましたがほんとに仕事はめちゃくちゃだし材料はひどいし値段は見積もりで3倍4倍に跳ね上がりますし詐欺になるかならないギリギリのやり方をしています
[㊙︎激安広告の畳屋さんは完全な分業で受付スタッフ、見積もりの営業、配送者、たたみ製作者別々で実際に見積もりに来る営業マンは契約した値段の20%が自分の収入になるので強引に値段を釣り上げるそうです]
私とか真っ当な畳屋さんはきちんと正規の値段を出していて畳表の違いもちゃんと載せてます。畳はそう何年も替えるものではないので頼む業者は小手先の安い価格に惑わされず良心的な畳屋さんをじっくり選んでいただきたいと思います。
そして本題の真面目な畳屋が説明する安い畳と高い畳の違いですがまずは大きく分けて中国産は安く国産は高いです
そして中国産も国産もピンからキリまでありまして中国産の最上級が国産の中級の下程度の値段で仕入れができます。
これが悲しいかな素人が見ると見た目だけは
中国産の方が人工的に着色してあるので色がきれいに見えます。だから素人目をごまかせる中国産で悪戯な商売をする畳屋が後を絶たないんですが
その素人目にきれいに映る緑は着色されていますし化学物質や残留農薬もたくさん残っています。い草は農作物ですから水と空気で育つのでいろいろなものが付着しますから、見た目だけ青いからきれいな畳にごまかされないでほしいです。
一方国産畳は泥つき大根ではありませんが本当の日本のきれいな田んぼで農家さんが有機肥料をたくさん使い除草剤を使わないで、なんと手作業で雑草を取っている農家さんもたくさんいます
私も年に3回位産地に出向き農家さんと会って田んぼも観察してきますが、い草の田んぼにはタニシや蛙バッタやカニや鳥が一緒に生息していてほんとに良い環境なんだなと感じております
国産は高いんではなくて日本の農家さんが日本で暮らすために最低限の収入を確保した真っ当な畳の値段なんです
い草農家さんは高級車に乗っていたりブランド物で身を飾っていたり皆が驚くような豪邸に住んでいたり!そんない草農家さんは1人もいません!ほんとに1年中家族総出で朝早くから夕方まで働きっぱなしで家だって先祖代々大事に使っている築年数がかなりなもの、節約されてい草のために高額な有機肥料を購入したり農機具を直したり…あれほど大変な農作業なのにほんとに地味に慎ましく生活されており頭が下がります。m(_ _)m
閑散期に近場の温泉旅行に行く程度の楽しみの農家さんばかりです。
私の知ってる農家さんもい草の買取価格が低すぎて採算が合わないからもうやめようかなと話していてびっくりです!
結局日本中の畳屋が安い中国産ばかり使い
根が張る国産を買わないので、買取価格がどんどん下がってしまい
農家さんが採算が合わないので廃業してしまうのです
話はまた脱線してしまいましたが
とにかく畳の値段は大きく分けると中と国産国産になります。
そして私は国産しか扱ってないので私の店でもピンからキリまで揃えています
ではそのピンからキリがどう違うのか?
い草は短いものから長く立派なものまであります。刈り取った後1番草2番草3番草…と草の等級ごとに分けます緑茶の茶葉の仕分けと全く同じです。
1番草は170センチほどに伸びて日光もたくさん浴び栄養もたくさん吸い文字通り1番良い草になります。1番草で織り上げた畳表が1番良い畳表になります
ほとんどの農家さんが6番草位までの畳表をつくります
6番草位になると草が短くて根元と穂先が畳表の端っこに出てしまい色合いが悪くてささくれが目だったりします草の品質も1番草と比べたらしなしな〜とした感じです
そして農家さんによっても違いますい草作りにこだわって手間と時間をかけている農家さんはすごく立派ない草を作ります。い草を作り刈り取りが終わった田んぼを1年休ませる農家さんもいれば利益優先で連作する農家さんもいます。
熊本には1年に1度だけ、い草の畳表の品評会がありそこでい草農家さんの1年1度の戦いがあります。そこでの優勝は文字通り日本一のい草の農家さんの称号が与えられます
私のお付き合いしている橋口さんはその品評会を4度優勝しており最多優勝者として農林水産省の畳表の顧問になったり橋口さんの作る最高の畳表は迎賓館や首相官邸熊本城に使われていて見事なものです
めちゃくちゃ値段が張る高価なものなんですが私も熊本の橋口さんちまで行きましていろいろ畳表のことで橋口さんに教わりまして橋口さんの最高級の畳表も高価ですが頑張って在庫しております^ ^
説明しましたように安い畳高い畳はまずは国産か中国産か?で大きく分けられ
その中でも草の成長によって立派な草とそうでない草で織り上げた畳表によって値段が違い
さらにい草農家さんによってもい草や畳表の出来栄えも違えば取引価格も違います
それと説明遅れましたが畳表の下級品は1畳あたりにい草が3500本程度使われておりますが
上級品になると1畳に6000本から7000本最上級のい草が使われております。だからすごく肉厚でお客さんに握ってもらうとほとんどのお客さんが顔が変わり!あー全然違うね!厚みが違うわ!すぐわかります
いい加減な畳屋さんはノートサイズのサンプルを持ち歩いてますが
私は実際に使う畳表をぐるぐる巻きにして現物サンプルをお客さんにお見せしております。
ここも話がそれてしまいますが
カットサンプルを見せて実際に納品するたたみが違うと言う悪質畳店も存在します。これは実際にあった話なんですがカットサンプルでは国産を見せて説明して
後日畳を納品して何かお客さんがおかしいと思ったんでしょうね、他の畳屋を呼んで見て調べてもらったら!なんと
全然頼んだものと違う安い中国産が使われていたんです!全く完全な詐欺ですよね
この手の話は結構耳にしますのでほんとに畳業界の人間として聞くたびにため息が出てしまいます
畳屋のインチキ話はたくさんありすぎて話せばつきませんが(涙)
最後になりますが安い畳高い畳にはそういう理由があります。安かろう悪かろうです。
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